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2019.12.13 更新

果樹今年大発生した果樹の害虫ケムシ類について〜生態と対策〜


昨年の暖冬をうけて、今年は春先から初夏にかけてケムシ類が異常に多発し、果樹のみでなく多くの作物での被害が問題となりました。

●クワゴマダラヒトリ(写真1)

林木の葉などに巣網を作り、集団で越冬した中齢幼虫が、気温の上昇とともにブドウやナシ、柑橘など多くの果樹に移動します。新芽を好んで食害するため、苗木や若木は樹形を形成できずに大きな被害を受けます。

●マイマイガ(写真2・3)

卵は一か所にまとめて産み付けられ麟毛で保護されています。4月頃から孵化し、様々な草木の葉を食べて成長します。7月頃から羽化し、成虫は次の世代の卵を木や葉、家の壁などにも産み付けます。

●クスサン(写真4・5)

終齢幼虫は美しいエメラルドグリーンの長い毛を持つ大型のケムシとして知られていますが、若齢のうちは8mm程度の小さな黒いケムシです。

特に栗の葉を好んで食べるのでクリケムシとも呼ばれ、卵で越冬します。

写真1 クワゴマダラヒトリ/写真2 マイマイガ/写真3 マイマイガの卵/写真4 クスサン/写真5 クスサンの卵

◎耕種的防除

ケムシ類の多くは、冬の間は卵か若齢幼虫で1ヵ所にかたまって越冬します。気温の上昇とともに個別に分散して寄生植物を食べながら成長し、被害範囲が拡大していきます。冬の間に卵塊は見つけ次第処分し、幼虫は密集して生息範囲の狭いうちに寄生葉ごと焼却するなどして、全体の密度を下げることが大切です。

中齢期以降に摂食量が急激に増加し、暴食集団となるまえにできる限りの手を打っておきましょう。

◎薬剤による防除

①合成ピレスロイド系 IRACコード 3A
 (アディオン・ロディーなど)

神経に異常興奮をもたらし速効的にノックアウトします。殺虫効果が目に見えて実感できます。非選択的に作用するので、ナナホシテントウムシや土着天敵などの益虫まで殺してしまう欠点があり、乱用するとダニ類やカイガラムシ類などの難防除害虫が増える恐れがあります。

②有機リン系 IRACコード 1B
 (スミチオン・オルトランなど)

1930年代に開発された神経伝達阻害作用をもち、市販されている殺虫剤の多くを占めています。比較的安価なものが多い反面、古くから多用されているため抵抗性の発達した害虫への効果が低い場合があることが懸念されます。

③ジアミド系 IRACコード 28
 (フェニックス・サムコルなど)

比較的新しく開発された剤で、害虫の筋肉を収縮させて接食行動を阻害します。即死ではありませんが、作用すると確実に食害はとまり、やがて餓死します。残効が長いのも特徴です。即死ではないので殺虫効果は実感しにくいですが、正しい使用法であれば、すぐに追加防除する必要はありません。

大発生した際は一度の防除では対処不能なこともあるので、系統の違う薬剤を輪番で使用するのが望ましいです。また、周囲を山林に囲まれた果樹園では常習的に被害を受けることもあります。周囲の林木も注意して観察し、発生の兆候が見られたら耕種的防除も含めて可能な対策を講じましょう。


営農部 蔵本 郁美
広報誌「なごみ」2019年12月号掲載


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