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2016.07.15 更新

果樹果樹のダニ類対策について 〜近年増加する果樹被害〜


写真1 花軸の汚れ

ダニ類は高温乾燥を好み、果樹のみでなく野菜や茶、花卉など幅広い作物に寄生します。驚異的なスピードで次々と繁殖し、作物の吸汁加害を続ける厄介な難防除害虫です。

植物寄生性の害虫ダニの筆頭は体長0.5mm程度のナミハダニ、カンザワハダニを代表とするハダニ類ですが、近年ではサビダニ、ヒメハダニ、ホコリダニなど、ハダニ類より更に小さく、肉眼では確認しにくい微細ダニ類の被害も増えてきており、葉へのダメージだけでなく、果面や果軸の汚れなどによる商品価値の低下が問題となっています(写真1)。

*被害の様子

写真2 葉の吸汁被害

一般にハダニ類の被害は葉色の変化から現れます。葉が白又は黄色っぽくかすり状に退色し、生気を失い、被害が進むと落葉します。葉の裏を確認すると、5倍程度のルーペでも、時には糸を排出しながら歩きまわる成虫の姿が確認できます。また、カンザワハダニの場合、白い紙を葉裏に押し当てると、潰れたダニの赤い汁が付くので、ダニの姿が見えにくい場合の判断材料になります(写真2)。

一方、サビダニは肉眼では識別できない非常に小さなダニです。ブドウでは葉の表面が薄くスミを流したような鉛色になり、モモでは葉の表面の葉緑素が抜けて銀白色に輝くような症状を呈します。柑橘類に寄生すると葉や果実の表面が茶〜黒褐色に汚れます。

*防除対策

①早期発見

ダニ類は繁殖速度が非常に早く、約25℃の条件下におけるハダニ類は、1週間ほどで卵から成虫に成長し、雌成虫1匹当たり約100個の卵を産むとされています。短期間での急激な増殖を繰り返すので、大量発生してからでは薬剤の効果が十分に発揮されません。トンネルやハウス内では特に高温・乾燥の条件となりやすいので、葉裏を注意して観察し、早期発見・防除することが必要です。

②ローテーション散布

世代交代が非常に早く、薬剤に対する抵抗性を獲得しやすいため殺ダニ剤散布の際には同一薬剤はもちろん、同一系統の剤は一作一回の使用に留めましょう(表)。

また、効果的なタイミングでの散布には、殺卵性の有無、効果発現の早晩、カブリダニ等の有用天敵への影響など、薬剤の作用性の特徴や収穫前使用時期を把握することが大切です。

抵抗性の付きにくいアカリタッチ乳剤などの気門封鎖系の薬剤は、速効性ですが殺卵効果がありません。しかし一作一回の使用が原則のダニ剤のなかで例外的に連用が有効な薬剤なので、初回散布の約一週間後にもう一度散布する事で、取りこぼした卵から孵化した幼虫をたたき、密度を下げる効果があります。

③耕種的対策

ハダニ類は、寄生している葉が枯れ始めると速やかに次の葉へ移動します。ハダニ類が発生しやすい自家用野菜などを果樹の付近に植えるのは控え、ハウスを解放する前には周辺の草を刈るなど、ハダニ類を果樹園に呼び込まないように注意が必要です。

また、越冬場所となる落葉や誘引ひもは焼却処分し、栽培期間が終了した施設では可能な範囲で被覆を除去して樹体を降雨と低温にあわせることもダニ類の密度を下げる有効な方策といえます。

*生物農薬の可能性

近年園芸作物の施設栽培においてハダニ類の天敵であるカブリダニなどを用いた生物農薬が商品化されています。抵抗性の心配がない、農薬の散布回数を減らせるなどのメリットがあるものの、入手工程や放飼技術の複雑さが課題で、果樹の施設栽培では本格的な普及には至っていません。今後の可能性が期待される分野です。

薬剤への抵抗性の発達を少しでも回避するためには、いたずらに薬剤散布を繰り返すのではなく、敵を知り、土着天敵などの有用生物の力も借りながら、実害の無い程度に共存していくこ
とが肝要なのかもしれません。


営農部 蔵本 郁美
広報誌「なごみ」2016年7月号掲載


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