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2015.08.17 更新

果樹モモの収穫後の管理


収穫後の落葉果樹は1年間の中でも養分が少なく、疲れきった状態になっています。

特に今年の天候は、1〜2月は寒暖差の激しい天候となり、3月下旬〜4月5日頃にかけて特に暖かい日が続き、モモや桜の開花も平年より早くなりました。4月の上〜中旬に雨も多く低温に推移したために、モモにおいては、胴枯れ症の発生も一部に見られました。また、開花期の悪天候により、昆虫の飛来が少なく、灰星病の発生も多く、一部の品種においては、実止まりが悪く袋掛け数不足の品種・園もありました。

病害では特に、4月上〜中旬は雨が多い曇雨天続きで、防除も徹底出来ず、その期間に風も強く、葉が傷んだ場合に、灰星病やせん孔細菌病の被害も平年以上に多く、次年度への影響が憂慮されます。8月下旬以降の収穫後に、秋季管理を計画されていると思いますが、収穫中から実施出来る作業から取り掛かり、10月末頃までには次の作業を終えるように努めましょう。

*夏季剪定

夏季(秋季)剪定は6月中旬〜9月下旬にかけて、強大な発育枝あるいは、冬季剪定で剪除すると徒長枝の多発生を招く原因となる大枝や、樹づくりで骨格となる、樹姿を乱すような大枝を剪除しましょう。

基本的には、夏季剪定は収穫後に行います。ただし、非常に強勢な樹では、早くから行って日当たりの改善を図りましょう。

樹勢の弱い樹には実施しないようにしましょう。

*礼肥の施用

収穫後の8月下旬〜10月に掛けて、新根の活動が盛んになるので、礼肥の施用により葉の働きを高め、樹体内へ栄養を多く貯蔵すると効果的です。

8月下旬に、表1により樹勢診断を出来る範囲で実施して、樹勢に合わせて施用量を加減してください。

表1 7〜8月の葉大きさ及び重さによる樹勢診断指標(清水白桃)

礼肥の施用時に土が乾燥状態であれば、潅水を行うことで肥効の促進が計れ、新根の増加も見込めます。

収穫後の8月下旬〜9月中旬に掛けて、即効性肥料(硝酸態窒素が主体)を、10a当たり窒素成分で2〜4kg程度を施用しましょう。(表2)

表2 10a当たりの施用量(kg)

基肥は、10〜12月に施用しますが、有機質主体の肥料を使用される場合には、10月上旬頃の早めに施用しましょう。

*葉面散布

収穫後に尿素200〜500倍液を2〜4回、葉面散布すると葉色が濃く保たれ、翌年の果実の結実、肥大が優れます。

摘蕾と組み合わせる事によって、初期生育促進効果はさらに高まります。

高温時に散布すると、葉先にわずかに葉焼けを生じる事がありますが、生育への実害はないでしょう。

*病害虫防除

せん孔細菌病の発生が問題となる園では、9月下旬と10月上旬の2回、ICボルドー412の50倍液を散布しましょう。ICボルドーが苦手な場合には、他の銅剤(コサイド3000の2000倍にクレフノン加用)を使用しても良いが不明の方はJAの方へ相談ください。

害虫(クワシロカイガラムシ・モモゴマダラノメイガ・ナシヒメシンクイ等)の発生が確認された園では、8月下旬〜9月上旬(収穫後)にスプラサイド水和剤1,500倍液を散布して越冬量を減少させましょう。

*樹勢強化

○物理性の改善

根の活力を高める為には、土を軟らかくして、排水を良くして土壌中の酸素含量を多くする事が大切です。明渠、暗渠と部分深耕等により根を切り過ぎない程度に、10月上旬までを目標に実施しましょう。時期が遅くなると、来春の新根の発生が遅れるだけでなく、初期生育が弱くなることが予想されます。

○科学性の改善

過度なPHの高低園が見られ、各種障害発生の原因となっている場合があります。土壌診断に基づく改善を実施しましょう。PHがアルカリに傾くとホウ素欠乏により、落蕾症などの障害を発症しますので細心の注意を払いましょう。

*その他

今年の栽培を振り返って、反省点を検討して、次年度の栽培の目標を設定して下さい。併せて、果樹生産はお身体が資本です。健康管理に細心の注意を払って頑張りましょう。

営農部 河田 義一
広報誌「なごみ」2015年8月号掲載


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