2014.12.15 更新
今年度のモモ生産においては、天候に大きく左右されました。今年の場合は、3月のやや高温、4月の低温、4月から7月にかけて乾燥気味に経過して、8月の曇雨天と、度重なる台風の襲来があり天候が目まぐるしく変わり、品質に影響が出た年でした。
現在、生産者の方は平成27年度に向けて生産の作戦を練っていると思われますが、12月は先月に続いて、整枝・剪定、施肥、土壌改良、新植、改植、潅水・排水対策などの完了していない方は、手抜かりのないように管理作業をお願いします。
JA岡山西は、品種数が多いため選果場の運営効率が悪いので、今後品種を絞って行く必要性があります。それぞれの出荷組合、部会において、主要品種3、補助品種3ぐらいで、5〜6品種を生産すれば、選果場の運営効率が大きく改善されるので検討してください。
経営的に、極早生から超晩生品種まで生産されている生産者の方もおられますが、主力品種の収穫遅れがでない程度の面積でお願いします。
老齢樹や不良系統樹は、いくら努力しても品質向上が計れない場合があるため、計画的に改植の必要があります。
品質の低下を招いた品種を中心に、優良系統への転換を計画的に進めて下さい。
モモは、若木・成木ともに剪定が強くなり過ぎると、強い枝が遅くまで伸びて、品質に悪影響を及ぼします。受光条件に大きな支障を生じない範囲で、枝を多く残すような剪定を実施しましょう。
モモの品質は、その年の天候に大きく左右され、着果部分への日当たりが味に影響します。特に、収穫直前から日照不足になると食味の向上は望めません。
今年の天候では、8月以降に収穫を迎えた品種では、密植状態や枝が込み合った樹では、更に日照不足が原因で、食味の低下に拍車を掛けています。
栽培改善を実施する方で、密植園だと収穫後、葉のあるうちに縮伐・間伐を終了していて、樹冠全体への日当たりが良くなっていると考えられます。
また、11月下旬から整枝・剪定の時期を迎えています。植栽間隔にもよりますが、今年は「基本に忠実に」若木の場合には、整枝(図)を改善しましょう。
強剪定は望ましい事ではありませんが、樹の骨格や、側枝と結果枝の配置を、もう一度見直して最大限に日当たりが良くなるよう整理してみましょう。
営農部 河田 義一
広報誌「なごみ」2014年12月号掲載
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