2014.02.15 更新
播種2週間前までに10平方メートル当たり完熟堆肥20kg、苦土石灰1kgを施用し、耕耘は深耕し整地は丁寧に行い土壌と十分なじませておきます。未熟堆肥の施用や砕土が不十分では岐根の原因になるので注意しましょう。
元肥は播種一週間前までに、ようりん500g、有機入り化成肥料1.5kgを施用し、砕土を兼ねて十分土壌に混和した後、2条まきで畝幅70〜90cm、4条まきでは140cm、高さ20cmの畝を作ります。地下水位の高いところは高畝としましょう。
種子は10平方メートルあたりペレット種子で900粒、除毛した裸種子で60〜80ml用意します。
播種は筋蒔きとし、ニンジンの種子は好光性種子のため覆土が厚過ぎると発芽が難しくなります。5mm程度に薄めに覆土を行った後、鍬の背中で軽く鎮圧し、土と種子をよくなじませ、下方からの水分吸収力を良くしておきましょう。さらに夏播き栽培では、乾燥防止のため切藁や籾殻をふって寒冷紗を被覆し、発芽までの期間乾燥させないよう2〜3回潅水します。
間引きと追肥は生育に合わせて2回程度行うようにします。本葉4〜6枚頃から太り始める前が一番重要な時期なので、この時期には特に乾燥と肥料不足に注意して適時間引きを行って、スムーズに生育させることが大切です。
1回目の間引きは本葉2〜3枚の時に生育を揃えるために葉色・生育共に中庸なものを残し密生部を間引き、株間2〜3cmになるようにします。2回目は本葉5〜6枚の時に株間10〜12cmに株定めします。1aあたりの株数は2,900〜3,000株です。
追肥は間引きに合わせて行います。1回に10平方メートルあたり化成肥料200gを株間に施用し、除草と根の緑化防止を兼ねて根の肩が隠れるように株元へ土寄せを軽く行います。
潅水は播種後から発芽揃いまでは特に乾燥させないようにします。生育期間中も土壌の乾湿の差が大きくなるとニンジンが縦にはじけるので、必要に応じて潅水しましょう。
病害ではうどんこ病が発生しやすいので肥切れさせないよう追肥を確実に行うと共に、軟腐病、黒葉枯病の防除や害虫のキアゲハ、ギンウワバ、アブラムシなど防除のため防虫ネット・不識布などのトンネル被覆や薬剤散布により防除します。
収穫が遅れると裂根が多くなるので、株元が地割れしたころ数本抜きとって肥大具合を確認して収穫適期に収穫します。
保存方法として、洗いニンジンの場合は湿気に弱いので、水気をふき取ってからポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。土付きのものは新聞紙に包んで風通しの良いところで保存します。土中に埋めるとさらに長く保存できます。
営農部 佐藤 武志
広報誌「なごみ」2014年2月号掲載
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