2011.11.15 更新
貯蔵に適する中・晩生品種は、11月中下旬が定植適期です。県南部の冬季温暖な地域で早植えすると冬季に生育が進み過ぎてとう立ちしやすくなるので注意しましょう。
圃場は、日当たりが良く、排水良好で灌水できる場所を選びましょう。
定植の2、3週間前に熟成堆肥や石灰を施用し、耕起します。水田等の土壌水分が多い圃場では、できるだけ乾いた時に耕起しましょう。定植の1週間前に基肥を施用して耕起、畝立てします(表1)。水田では、畝幅100~135cm 、畝高20cmと高くします(図1)。畑地では条間15~24cmの6条植えにし、50~60cmの通路を設けます。
図1 畝幅と植え付け条間(水田の場合)
表1 本圃の施用例(JA全農おかやま一部変更)
(kg/1a)
施肥例* | 肥料の種類 | 総量 | 基肥 | 追肥(月/旬) | 三成分量 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
12/下~3/上 | 窒素 | リン酸 | 加里 | ||||||
1 | LPコート入り複合 555-A60号 |
20 | 20 | 3.0 | 3.0 | 3.0 | |||
2 | 野菜一番 | 12 | 12 | 1.2 | 0.96 | 1.2 | |||
苦土重焼燐** | 4 | 4 | 1.4 | ||||||
尿素入り窒素加里 化成2号 |
10 | 3 | 3 | 4 | 1.6 | 1.6 | |||
三成分合計 | 2.8 | 2.36 | 2.8 |
1、土つくり資材としては施肥例1、施肥例2ともに1a当たり、熟成堆肥200g、苦土石灰12kg、FTE(微量要素)400g施用する
2、*施肥例1は、水稲作付け跡の水田など、これまではリン酸施用量がすくなかった圃場における全量基肥施用方法に適する
**施肥例2について、野菜連作圃場ではリン酸が過剰集積している場合が多いので、このような圃場では苦土重焼燐の施用量を減らすか、あるいは苦土重焼燐を施用しない
図2 定植適期苗の大きさと植え付けの深さ
厳寒期に入る前には活着させる必要があるので日平均気温が5℃に低下する1か月前に定植します。定植時期までに適期苗の大きさに生育していない極小苗は活着が劣るので苗床で越冬させ、2月下旬~3月上旬に定植することもできます。植え付け間隔は、株間10.5~12cmとします。植え付けの深さは2.5cm位とし、根が地表面に露出しないよう注意します(図2)。定植後はたっぷり灌水し、活着するまでは土壌が乾燥しないように頻繁に灌水します。
表2 主な病害虫防除薬剤と使用方法
病害虫名 | 薬剤名 | 希釈倍率 | 使用時期 | 使用回数 |
---|---|---|---|---|
軟腐病 | バリダシン液材5 | 500倍 | 収穫3日前 | 5回 |
べと病、白色疫病 | ランマンフロアブル | 2,000倍 | 収穫7日前 | 4回 |
リドミルMZ水和剤 | 500倍 | 収穫7日前 | 4回 | |
べと病、灰色腐敗病 | アミスター20フロアブル | 2,000倍 | 収穫1日前 | 4回 |
黒班病、灰色腐敗病、 灰色かび病、(黒点葉枯病) |
ロブラール水和剤 | 1,000倍 | 収穫7日前 | 3回 |
スミレックス水和剤 | 1,000倍 | 収穫1日前 | 5回 | |
アザミウマ類、アブラムシ類 | スミチオン乳剤 | 1,000倍 | 収穫21日前 | 2回 |
注:( )内病害は、適用病害ではないが、有効と考えられる病害
営農部 川合 貴雄
広報誌「なごみ」2011年11月号掲載
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