2011.03.15 更新
3月も中旬頃になると、日照時間が長く、日差しも急に強くなり、気温が上昇してきます。それに伴って野菜の生育は急速に進むので栽培管理は手遅れにならないよう実施しましょう。
3月中旬頃までに発生する側枝は良莢を着生する有効なものが多いので伸ばしますが、それ以降に発生する側枝は無効なものが多いので早めに摘除し、過繁茂を防ぎます。
開花始期とその後20日目に窒素と加里を含む速効性肥料を施用します(例、尿素入り窒素加里化成2号の場合、1回当たり2.5kg/a程)。施肥位置は株元から30~40cm離れた畝肩付近に施用しましょう。
3月中旬頃からアブラムシ類、4月上旬頃からうどんこ病、ハモグリバエ類、4月下旬頃からハダニ類の発生に注意しましょう。(表1)
3月中下旬になると分枝して側枝数が増えてきますが、これを放任しておくと通風、採光が悪くなり、不良莢が多くなります。このため、貧弱な側枝を除去して1株当たりにして5~6本、1m2当たりにして10~12本の有効な側枝を残します。
開花期から窒素と加里の吸収が急速に増加するので開花始期における窒素と加里を含む速効性肥料の施用は極めて大切です。施用量は、尿素入り窒素加里化成2号で2.0kg/a程度とします。追肥後、除草と倒伏防止を兼ねて土寄せします。
茎の上位節には着花がほとんどなく、上位節が繁茂しやすくなります。上位節が繁茂すると下位節への採光が劣り、着莢・莢肥大が悪くなります。このため、株元近くの最下位節の花から上に6~8節目が開花した時に先端葉から下位の茎を5cm程度摘心すると着莢と莢の充実に有効です。(図1)
また、花は各節に4~5花開花しますが、全て残すと不良莢が多くなります。そこで、各節に2花残し、1茎当たり10莢程度に調整すると良莢が多くなります。
3月中旬頃からアブラムシ類及び赤色斑点病、4月中旬頃からさび病、輪紋病、ハモグリバエ類に注意しましょう。(表1)
土壌の過乾・過湿は生育に大きな影響を及ぼします。特に4月における乾燥は球の肥大が著しく劣るので、乾燥が続けば灌水を十分行いましょう。また、球肥大期に地下水位が高く、圃場が多湿になると球の貯蔵性が低下するので多雨時には排水に十分留意しましょう。
3月以降になると、べと病、白色疫病等の病害の発生が次第に目立つようになります。(表1)
ただし、3月前半頃までは、罹病株はあってもそれほど多くなく、この罹病株が発生源となり拡大するので、圃場を見回り罹病株を早めに除去しましょう。
罹病株除去後、殺菌剤を散布すると防除効果が高まります。4月になるとアザミウマ類、アブラムシ類が発生するので防除に努めましょう。
表1 病害虫と防除薬剤(例)
作物種類 | 病害虫名 | 主な防除薬剤 |
---|---|---|
エンドウ (莢・実) |
茎腐病 | リゾレックス水和剤 |
うどんこ病 | ラリー水和剤、サンヨール | |
ハモグリバエ類 | アファーム乳剤、アディオン乳剤 | |
アブラムシ類 | アディオン乳剤 | |
ハダニ類 | ニッソラン水和剤 | |
ソラマメ (未成熟) |
立枯病 | タチガレン液剤 |
赤色斑点病 | ロブラール水和剤 | |
さび病、輪紋病 | ジマンダイセン水和剤 | |
アブラムシ類、コナジラミ類 | モスピラン水溶剤 | |
ハモグリバエ類 | アファーム乳剤 | |
タマネギ | べと病、白色疫病 | リドミルMZ水和剤 |
ランマンフロアブル | ||
黒斑病、灰色かび病 | ロブラール水和剤 | |
腐敗病、軟腐病 | バリダシン5液剤 | |
アブラムシ類、アザミウマ類 | エルサン乳剤、スミチオン乳剤 |
営農部 川合 貴雄
広報誌「なごみ」2011年3月号掲載
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