2011.01.15 更新
本年度の麦は、播種作業を順調に進める事が出来ました。その後適度な降雨もあり、順調に生育しています。
今後は生育状況と気象を見計らっての管理が大切です。
生育が進みすぎた場合、生育調節をするために実施します。
時期は1月上旬~2月下旬(三葉期~節間伸長期前)までに行います。その効果は次のとおりです。
普通2月下旬になると幼穂の分化が認められます。生育が進みすぎると春先の低温で幼穂が傷つきます。このため、麦踏みにより生育抑制を行います。
麦踏みにより縦の生育が抑制され分けつが増加し、横への成長が促進されます。
生育状況や葉色をみて実施しましょう。基肥に被覆肥料(LP30など)を施用している場合は追肥をする必要はありません。
3月に入り葉色が薄く生育が悪いものは追肥(3月上旬~中旬)をやや多めに施用することにより収量・粗蛋白含量が上昇します。
麦(成分量 kg/10a)
小麦 | 1月下旬~ 2月上旬 | 3月中旬 |
---|---|---|
窒素 | 3 | 1~2 |
リン酸 | 0 | 0 |
カリ | 4 | 0 |
大麦 | 1月下旬~ 2月上旬 |
3月上旬~ |
---|---|---|
窒素 | 2~3 | 2~3 |
リン酸 | 0 | 0 |
カリ | 2~3 | 2~3 |
(注1)生育過多の場合は時期を遅らせ、量を減らす。
(注2)暖冬、多雨年には肥料分の流出が多いので後期肥料切れに注意。
土壌水分が多く過湿状態になると根の生理機能が低下します。
生育・収量・品質に及ぼす影響が大きくなるので十分な対策を実施する必要があります。
降雨時には時々ほ場を見回り、地表水が速やかに流水するようほ場の周辺、内部の排水溝を整理しておきます。
生育期の雑草対策は遅れないように実施しましょう。(1月末~3月上旬)
対象の薬剤としては、ハーモニー75DF水和剤、又はバサクラン液剤になります。
麦類に多い病害では赤かび病、斑葉病、なまぐさ黒穂病などがあげられます。検査規格では赤かび病粒の混入率0.0%以下になっていますので徹底した防除を実施しましょう。
防除時期は、開花最盛期(二条大麦は穂揃い期)とその後7~10日後の防除が必要です。
対象薬剤としては、トップジンM粉剤DL(4kg/10a)またはトップジンM水和剤(1000倍)。多発時追加散布はシルバキュアフロアブル(2000倍)を施用して下さい。
農薬を使用するにあたっては農薬使用基準を遵守、また、残留農薬のポジティブリスト制度を認識して、他作物に農薬が飛散しないようドリフト(飛散)対策を十分検討して実施しましょう。
営農部 本田 隆志
広報誌「なごみ」2011年1月号掲載
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