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2010.05.15 更新

果樹モモの養分転換期と栽培管理

 

果樹では、当初樹体内の貯蔵養分により、枝の伸長と果実の肥大がなされる。その後新しい葉で生産された同化養分により、枝の伸長や果実の肥大がなされる。貯蔵養分による生長から新しくできた葉の同化養分による生長に転換する時期を養分転換期と称している。この時期の枝の伸び方、葉の大きさ、葉色、果実の肥大など貯蔵養分の多少と関係し、樹の栄養状態を示すもので、栽培上重要な意味を持つものと考えられる。

そこで、モモの養分転換期を明にするため次の調査を実施した。

1.剪定程度同じくした4年生の清水白桃を2樹用い、1樹は展葉直前に葉芽を摘み取った摘葉樹と、摘み取らない無処理樹について果実重を調べた。

また、瀬戸内白桃2樹を用い、強剪定で弱い摘蕾をした樹と弱剪定で強い摘蕾した樹について果実の肥大を調べた。

2.その結果、摘葉樹と無処理樹の比較では、満開後22~34日まで摘葉樹が1.5~2.5倍大きかったが、満開後38日にはほぼ同じ大きさになった。(表1)

表1   摘葉樹と無処理樹の果実肥大の比較

調査月日
(満開後日数)
摘葉樹 無処理樹 摘葉樹/無処理樹
重量(g) 重量(g)
4.3(22日) 0.5 0.2 2.5
5.2(24日) 0.6 0.4 1.5
5.6(28日) 1.7 0.7 2.4
5.9(31日) 3.2 1.4 2.3
5.12(34日) 4.7 1.9 2.5
5.16(38日) 6.8 6.6 1.0

一方、強剪定で弱い摘蕾をした樹と弱剪定で強い摘蕾をした樹について比較すると、満開後26~29日まで強剪定弱摘蕾樹が弱剪定強摘蕾樹より重かったが、満開後32日には、弱剪定強摘蕾樹の方が0.5g重くなった。

3.(イ)強剪定すると、樹体内の貯蔵養分が少ない枝に多く分配され、果実の初期肥大は促されるが芽数が少ないため新しい葉が少なく、その後肥大は抑制される。一方、弱剪定すると、樹体内の貯蔵養分が多くの枝に分配されるため、果実の初期肥大は抑制されるが、その後芽数が多いため新しい葉が多く、また、強剪定樹に比較して枝の伸長が緩慢で枝と果実の養分競合が少なく肥大が促されたものと考えられる。(表2)

表2   瀬戸内白桃の果実重(g)

満開後日数 26 29 32 36 40 54 62 68 74 81 110 139
弱剪定樹 1.8 3.4 5.7 17.2 32.7 37 40.8 49.7 56.9 108 308.3
強剪定樹 2.2 3.6 5.2 9.6 14.7 28.7 31 38.4 41.3 47.6 100.2 275.4

(ロ)摘葉樹と無処理樹の果実の大きさが、ほぼ同じになったのは満開後38日で、強剪定と弱剪定の果実の大きさが同じになったのは、満開30日頃で、摘葉樹が8日間遅くまで大きくなったことになる。このことは、摘葉することにより貯蔵養分が枝の伸長や展葉に使用されず、果実の肥大にのみ分配されたためと考えられる。

(ハ)養分転換期は、二十世紀ナシでは開花後20~25日とされている。モモでもナシと同様、開花後30日前後の5月上~中旬と推測される。

4.展葉数(表3)は、満開後28日に7.9枚となっており、約8枚が展葉した時期が養分転換期と推測される。

表3   展葉数

満開後日数 20 28 34
展葉枚数(枚) 5.1 7.9 9.1

5.縦径を比較すると弱剪定し強摘蕾した樹の方が強剪定し弱摘蕾した樹に比較して、果実の縦径が生育初期から常に長くなっていた。縦径の長い果実は細胞数が多く、将来大きくなる素質を持っている。

栽培管理について

1.養分転換期にあたる5月上中旬に枝の伸長がにぶり、その後、再度伸長する樹をよく見かけます。これは養分転換期の〝ずれ〟の現象で、この時期、摘果を実施すると共に十分潅水し、枝が順調に伸長するようにしましょう。

2.予備摘果は、満開後20~30日頃で、適正最終着果量の2倍程にします。

仕上摘果は、早生種で満開後40日頃、中生~極晩生種では満開後45日までに実施します。清水白桃では、満開後45日頃までに適正着果数の1.2~1.5倍程度にし、生理落果がほぼ完了する満開後75~80日に修正摘果を行います。

白麗では、予備摘果で2.2~2.5倍程度の着果量を満開後70日頃仕上げ摘果し、適正最終着果数にする。

営農部  梶谷 和弘
広報誌「なごみ」2010年5月号掲載


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