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2009.07.01更新

果樹桃の生理落果防止

 

仕上げ摘果し、袋掛けした後、硬核期に落果する、いわゆるジューンドロップの発生原因と防止対策の一端を述べます。

極弱剪定し強い摘蕾を実施した樹と強剪定し弱い摘蕾を実施した樹を用意して、枝の伸長停止率と生育第二期(硬核期)の生理落果や果実の収量・品質について調べました。品種は瀬戸内白桃です。

1.剪定程度と枝の伸長停止率【第1図】

極弱剪定樹
第1図 剪定の程度と枝梢の伸長停止率

生育第Ⅰ期の終りにあたる満開後47日伸長停止率は67.1%でした。生育第II期(硬核期)の始まる満開後54日には伸長停止率84.3%で、停止率が急激に高まり、その後も枝の伸長は緩慢で収穫の約20日前の満開後110日では、停止率98.3%で、ほぼ伸長停止しました。

強剪定樹

満開後47日の伸長停止率は47.6%でした。硬核期の始めにあたる満開後54日の停止率は60%で、40%の枝が伸長していました。その後も伸長を続け、収穫20日前でも約20%の枝が伸長し続けていました。


2.枝の伸長停止率と収量・品質

生理落果

【表−1】をみると、極弱剪定樹の落果率は14.5%で、強剪定樹53.4%になっており、強剪定樹が多くなっていました。落果はすべて核割れしていました。

胚乳は満開後50日後に形成され、子葉胚は満開後60日頃に形成されます。胚乳や子葉胚が形成される前後の時期に枝の伸長が強いと、核割れした果実が枝との養分競合に負けて落果します。反対に枝の伸長が緩慢であると、核割れした果実が枝との養分競合にまさり縫合線にカルスが形成され、落果しにくくなります。

表-1 剪定程度と生理落下・収量および品質

  生理落下率(%) 10a当たり換算収量(kg) 1果当たり平均重量(g) 糖度(Brix)
極弱剪定果樹 14.5 1612 308.3 13.1
強剪定樹 53.4 380 275.4 13.2
果実の収量・品質

平均果実重は、極弱剪定樹の308.3gに対し、強剪定樹では275.4gで、極弱剪定樹が大きくなっていました。また、10a換算収量では、極弱剪定樹が約4倍多くなっていました。

果実量が極弱剪定樹で重くなったのは、収穫20日前の満開102日に枝の伸長停止率が92.3%でほぼ伸長停止していたのに対し、強剪定樹では、伸長停止率が75.0%で25%の枝が伸長していました。このように収穫前20日頃に枝が伸長すると、果実の肥大が劣ります。また、収量が極弱剪定樹で多く、強剪定樹で少なくなったのは、生理落果率および果実量に差が生じたためです。糖度は両樹とも高くなっていました。

極弱剪定樹では、収穫前に枝の伸長がほぼ停止したため、糖度が高くなりました。一方、強剪定樹でも糖度が高くなりました。このことは、枝の伸長が強いながらも果実数が少なく、多く葉で同化養分が生産され、果実に供給されたものと考えられます。

3.落果および着果とカルスの形成

落果は両樹とも縫合線沿いに核割れし、縫合線部分にカルスが形成されていないか、形成されていても厚さが薄く、褐色に変色していました。着果の形態を見ると、極弱剪定樹はすべて縫合線に沿って核割れしていたが、核割れした部分に厚くカルスが形成されていました。

一方、強剪定樹では調査した30果のうち28果が核割れしていましたが、2果は核割れせず正常でした。

強剪定樹では枝の生長ホルモンレベルが遅くまで高く、果実の生長ホルモンが相対的に低くなるため、カルスの生成・発達が悪く落果に結びついたものと考えられます。

一方、極弱剪定樹では枝の生長ホルモンレベルが早くから低下し、果実の生長ホルモンが相対的に高くなるため、カルスの形成・発達がよく落果が少なくなったものと考えられます。

営農部  梶谷 和弘
広報誌「なごみ」2009年6月号掲載


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